愛をそだて、手さぐりするあなたへ、
わたしの名まえをおしえてあげる。
あなたのところへ行こうとして、
とどかなかったわたしのからだのうえの愛を、
風俗のお店で、あなたに見せた、
わたしのうたの一部で、返すわ。
真実なら、ちょうだい。詩織の詩で、
もうすこしましな、戦争で隠されたあなたに、
真実へ、にじりよってほしいと思うから。
そうなんだ、戦争だったから。 わたしが、
あなたのところへ行こうとして、
殺された、ということを、そこに書いてください。
愛を隠した戦争で吐いたわたしのげろ、
あなたのところへ行こうとして、
あなたのところへ行こうとして、
わたしには越えられない戦争だったから、
私の名まえを書いてください、そこに。 ――詩織
(「詩織」藤井貞和

この女の子の気持ちと、「風俗」「戦争」「殺された」「げろ」とは全く反対のものの筈なのに。
見事に調和しているあたりがすごいと思う。カッコイイから引用してみた。
付き合ってたら、今日で1年です。そんなことを思い出しつつ。