神様はいますか?

色々と他人事とは思えません。中学図書室で借りた。
表題作「神様はいますか」の他に、「人と人とはわかりあえますか」「私の身体は、私のものですか」「人生は生きるに値しますか」等のお題のエッセイです。
著者の兄は引きこもりで餓死という壮絶な死に方で自殺、著者の世界観は彼を含めた家族のことを考えることで形成されたみたいです。
「愛は世界を救いますか」で、著者が昔大好きだった恋人に振られて、別れるときはすごく悲しくて泣いたのに、その後、彼が交通事故にあって鬱がひどくてガス自殺したときは、あんまり悲しくなかった、という話に衝撃を受けた。
明日、自分の大切な人が死んでも悲しいかな?
…私も、あんまり悲しくないような気がする。著者と同じように『悲しくない』ってことがショックだと思う。人が死んで泣いたことないし。
他には、男女間の友情についても定義されていて、妙に納得した。
異性の友達を作ることはそんなに難しくないけど、別れた恋人とか、未練の残る異性に対しては、ほぼ不可能だと思う。
しりあがり寿の表紙や挿絵がミスマッチでした。

神様はいますか? (新潮文庫)

神様はいますか? (新潮文庫)